伝統的な文法では冠詞は、不定冠詞(artículo indefinido)と定冠詞(artículo definido)の2種類に分けられています。しかし、冠詞を伴っていなくてもそれなりの意味を持つものは無冠詞の名詞として区別します。
スペイン語の冠詞は次の通りです。
不定冠詞
男性 単数 uno 複数 unos
女性 単数 una 複数 unas
定冠詞
男性 単数 el 複数 los
女性 単数 la 複数 las
中性 単数 lo
*冠詞は後にくる名詞と性数が一致します。
例)un libro 一冊の本 unos libro 数冊の本
*またアクセントのある a または ha で始まる女性単数名詞には、unaではなくun、la ではなく el を使うのが普通です。
例)un ave(鳥), el águila(ワシ)
*男性単数定冠詞 el が前置詞の de か a と組み合わされる場合に限り縮約されて、それぞれ del , al となります。
例)Voy al supermercado.(私はスーパーに行く)
*1つの冠詞が、y などの等位接続詞で並べられた2つ以上の名詞に先行する場合は、先頭の名詞の性数と一致させます。
例)Tengo que llevar una carpeta y papel. (私はファイルと紙を持っていかなくてはならない。)
冠詞の基本的な働き
1)特定化 初出の事柄について述べる場合は不定冠詞を用いますが、具体的な個に言及するのではなくある概念、もしくはある種類の代表的な個について話をする場合は無冠詞となります。既出の事柄について述べる場合は定冠詞が使われます。また、論理的にみて文脈の中で初出であるか否かを想定する必要がなかったり、社会文化的に、また文脈上、対話者間でそれが何であるか明らかに予測をつけられるような名詞には定冠詞が用いられます。(太陽、月、空などの唯一物、身体の部分、建造物や所有物など日常生活で決まりきったものなどのことです。)
2)総称 一種類・一種族を代表的、総体的に表します。定冠詞も不定冠詞も使われますが、名詞が示している意味内容が種族全体を述べている場合は定冠詞、種族の代表としてどちらかというと個に傾斜させて言及している場合は不定冠詞をもちいます。
それでは、まずは定冠詞を覚えましょう。